おばあちゃんのひとりごと

Entries

「お父様ずいぶん上手にお亡くなりになったわね。」

 誰か過去をほめず現在を罵らない老人をみたことがあるか。
 彼らはみな自分の悲惨さと悲哀とを、世の中のせい、人々
 の考え方のせいにしている。
              モンテーニュ


 ドキリ。私は幸せに思いたいなぁ。
 昨日の夕方のことです。あのね、雨が大降りとなりましてね。
強く降っていた。ゴミの日なので出しにゆき、慌ててエレベー
ターにのりそこへ中学生の男の子が来てでポスト見て待ってたら

「ありがとう」といってくれ、またも、お節介なおばあちゃん。
「傘持っていったの。ね。よかったね」
「こんなに降っていると熊本は大変よね……」その子が、
「僕のおばあちゃん、熊本の益城町です……。」びっくり。
「おばあちゃんは、大丈夫だったの?」
「はい」
「ああ、よかったね」ホッとしました。
 なんてよい子に育っているのでしょう。部活帰りの一年生だ
とおもうのですが、ジャージ―姿だった。
「おばあちゃん、大事にしてね。応援してあげてね…」
と言いおりましたが、ニッコリ笑い
「はい、ありがとう……」
眼が輝いていて、爽やかな中学生。いいなあと思うのです。
私の心が明るくなれました。
 
 ☆雨が降ります☆

 雨が降ります
 雨の日は なんだか 
 ちょっとね つまらない
 散歩に出るのも大変

 やっぱり 雨が止んだらいいな
 でも でも
 樹々たちや草たちも
 大喜びでしょう

 だから だから
 私も喜んで
 雨にも感謝しましょう
 雨も喜んであげましょう

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 父小泉信三      秋山加代
            小泉タエ

 母のこと
 父が亡くなってから、もうまる2年の月日がすぎた。折り
にふれて、さまざまなことを思う。
 ――-省略―――
 しかし、父が最も愛し、その幸福のために心を遣って母が
父の亡き後、父の教え子の方たち、また友人の方たちから、
本当にご親切にしていただいて、父の生前と同じように、賑
やかに、恵まれた日々を送っていることは、何とも倖と思わ
なければならない。
 父はそれが一番気がかりだったであろうから、もし、どこ
かから見ているのなら、
 「オイ、君たち、お母ちゃんとちゃんとやってるじゃぁな
いか、どうです」と言うであろう。
 父は母をからかい、ほめたたえ、大切にし、そして、時
にはちょっと面白い意地悪もした。母は少女の如き無邪気さ
で、それにいちいち反応した。
 母がいつまでも若々しく、初々しく、ちっともえらそうな
老夫人にならないのは、父のお陰であると思う。
 私たちが育つ頃は、相当怖いところもある賢母であって、
私たちの教育については、つねに確固たる考えを持っていた
ようであるが、いま、私たちはどうしても、母の可愛らしさ
におよびもつかない。父の大きな庇護の陰に、安心し任せき
っていたのが、母をこうさせたのか。
 ――-省略―――
 臨終
 昭和41年5月10日の夜半、それまで元気であった父が
少しく不快を訴えて母と取り交わした会話の最後は、
 「君に心配させて済まないね」というものであったという。
母は「いいえ」と言ったと言う。
 父はそれから安らかな眠りに入り、そして翌朝7時過ぎ、突
然大きな息を吐いてそのまま、心臓の動きを止めた。
 私どもが駆け付けた時、父は楽な姿勢で安らかに眼を閉じて
おり、一心に人工呼吸をしておられる医師の動きにかかわりな
い静けさであった。
 父と母が夜半に言葉を交わした時、二人とも、これが人の世
における最期の会話になろうとは、思いもよらなかったであろ
う。
 けれども、50年をともに暮らした夫と妻の最後の会話として
理想的なものと思うし、常に母をいつくしみ包んで来た父の、
本当に父らしい言葉と思う。
 父は常々「俺は滑稽ななことを言いながら死んでやる」とい
っていたが、そうはいかなかった。
 そう言ったのは、人の臨終に、妻、子、親族が集まって泣き
悲しむ、という形に、何とかならないで済ませたかったのだと
思う。ことに、父は一種の恥ずかしがり屋であったし、子ども
たちとは、からかいあっているのが一番気に入った形式であっ
たから、深刻な所は見せたくないほうであった。
 ――-省略―――
 けれども、まだ本当にとは信じられない。何処かに隠れてい
るような父を呼び返して、いつもの賑やかな食卓で、
「お父様ずいぶん上手にお亡くなりになったわね。だけどお母
様もなかなかお立派ですよ」といってあげたいと切に思う。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 いいなぁ。大好きな小泉信三さま。このような夫婦が私の
夢でした。夢は夢ですんじゃいました。そして、羨ましい。
こんなときには一休さまのこのお言葉がいいもんですね。

 「いま死んだ どこへも行かぬ ここにおる 
  尋ねはするなよ ものはいはぬぞ」
            一休さま

 短歌

  バス停でひとことかわすそれが好きなんでもないが
  たがいに笑顔

 俳句

  薫風や犬の散歩に元気な友

 川柳

  ありがたいひとりは気楽今夜ラーメン
 

スポンサーサイト

左サイドMenu

プロフィール

フェアリーグランマ

Author:フェアリーグランマ
ひとり暮らしのおばあちゃんですが、毎日を詩や短歌を作って楽しんで暮らしています。

心に残った本の一節を御紹介させて頂いております。

ランキング

ブログ村のランキングに参加しています。応援してくれたら元気が出ます!
にほんブログ村 ポエムブログ 自作詩・自作ポエムへ にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ
にほんブログ村 にほんブログ村 小説ブログへ
にほんブログ村

flag counter

Flag Counter

最新記事

最新トラックバック

音楽