おばあちゃんのひとりごと

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切なくも哀しい一通の手紙

朝目覚め疲れのとれぬ日が多く老いていく日の寂しさ感ず

 

          手紙を書くのが好きなのは心を伝える手段
          口で話すのが下手なの
          世辞が言えず 無駄口が下手
          
          亡き母のせいにしては
          申し訳ないのだが
          でも でも そう思うところはあるのだ
          
          こんな年になって
          いわれても母が苦笑してるね
          でも 口下手で 良かったのかもね
          
          「要らんことはいうな」
          「馬鹿な世間話しはやめなさい」
          「言い訳はするな」
          
          「痛い 身体の調子が悪い」
          「疲れた」
          「嫌だ。やりたくない」

           すべてに叱られたものだ
           だから 口数は少ない
           笑えるほどに口下手なのだ

           母の教えでいいのだ
           その教えのなかに光る大事がある
           だから こういう 私が居るのだ

          手紙っていいものよ。そんな大層な手紙はわたしには書けないが~
          切なくも哀しい手紙です。読んでみてください。



    ここで心に残る手紙を一通
    小泉信三氏からご長男の海軍主計大尉」ひ

  君の出征に臨んで言っておく。
  吾々両親は、完全に君に満足し、君を我が子とすることを何よりの誇りと
  している。僕は若し生まれ替わって妻を択べと言われたら幾度でも君のお
  母様を択ぶ。同様に、若しもわが子を択ぶということができるものなら、
  吾々二人は必ず君を択ぶ。人の子として両親こう言わせる以上の孝行はな
  い。君はなお父母に孝養を尽くしたいと思っているかもしれないが、吾々
  夫婦は今日まで24年間の間に、凡そ人の親として享け得る限りの幸福は
  既に享けた。親に対し、妹に対しなお仕残したことがあると思ってはなら
  ぬ。今日特にこのことを君に言って置く。
   今、国の存亡を賭して戦う日は来た。君が子供の頃からあこがれた帝国
  海軍の軍人としてこの戦争の参加しるのは満足であろう。24年という年  
  月は長くはないが、君の今日までの生活は如何なる人にも恥ずかしくない。  
  悔ゆるところなき立派な生活である。お母様のこと、加代、妙のことは必
  ず僕が引き受けた。
   おじい様の孫らしくまた吾々夫婦の息子らしく戦うことを期待する。



 ある朝、妻と二人で茶の間の火鉢にあたり、妻に「どうだろう」と、手紙を見せ
 たそうです。妻は読みしまって涙をふいて、「信吉に読ませてください」
  信吉さんは、顔を輝かせて「素敵ですね」といい、軍服の内懐にしまったそう  
 です。
  「これで太平洋の藻屑になれば本望だよ」と独りごとのようにいわれたとのこ
 と。戦死されました。




  小泉信三氏の心、お母様の心、そして信吉様の「素敵ですね」のひとことに、哀しくも
 辛い戦争真っ只中の時代のなかでの、お互いがお互いをせつなくも思いやる情愛を感じつ
 今のこの世を思うのです。いつの時代も親が子を思い、子が親を思いやる。その時代の中
  もっと もっと あらゆることに感謝しないとね。
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Author:フェアリーグランマ
ひとり暮らしのおばあちゃんですが、毎日を詩や短歌を作って楽しんで暮らしています。

心に残った本の一節を御紹介させて頂いております。

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