おばあちゃんのひとりごと

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イロハカルタの新作をみんなでつくるのもシャレたものだった。

 世界中の誰もが自分を称賛しても、私は独り静かに満足し
 て坐っている。世界中の誰もが私を身捨てても、私は独り
 静かに坐っている。
                  ホイットマン

 もう今朝は七日。新年を迎え早や一週間。なんという過ぎゆく早さよ。
 昨日も寒い。寒い。
  
急な寒さに、一日、家に引きこもり、手紙を書いたりアイパッドでドラマ。
 夕方、玄関を出たらお隣の奥さんが買い物から帰られたところを出会う。
「おめでとうございます。今年も…………」
「今から買い物?」
「ううん。手紙をポストにだよ」
「たくさん買い物したね?」
「それだけ書いたの?真似できないわ」
「暇だからね。することもなくてね。友達に……」
「わたしには、できない。とてもできない……」
 会話しながら……またねと別れる。ああ、私は、まだ黒豆やらいろいろと
残っているもの。昨夜で、おせち料理もなくなったからいいが。
 つくらずにいるのもラクなんだが、ね。それがおせちですね。
 

    おかあさんがおこると
          伊藤こう 5歳

     ぼく
     こおっちゃって
     とけちゃう
    
       おかあさんがおこると
       きもち
       が
       するよ
      (ふしぎなことばことばのふしぎ 池上嘉彦 著)より


  ☆☆ おとうちゃんを想いだす ☆☆

     「おとうちゃん」は
     なんとなく威厳があって
     なんとなく近よりがたい父だった
     怒る人でもないというに

     やさしい父なんだけど
     家ではいつも着物でね
     お役所につとめてた
     日曜日には家におられるが

     その日曜日には客があったり
     友人がこられ”碁”やってたり
     机の前に坐り本を読み
     お抹茶やお煎茶を好み
  
     他所のお父さんとはちょっと違ってたな

     わたしが嫁いだときは涙してたという
     なんにも手につかず 仕事もせず
     庭池のそばの庭石にかけて
     さびしそうにいつまででもボーとしていたという

     母や妹がその時は 
     「心配しちゃったよ」 
     数年後に教えてくれた
     わたし なんにも気ずかずに
     さびしさもわかってあげられず
     婚家先になれるのに懸命だったから

     じぶんのことで精いっぱい

     もうみんな逝ちゃったなぁ
     姉がひとり その姉と私
     遠い日の田舎の幼いころのこと……
     それぞれがまったく違う思い出となる

     だからいいんだなぁ


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 サトウハチロー
   落第坊主

 正月がさびしくなった

 正月がさびしくなった。
 たしかにつまらなくなった。理由はいろいろある。
 昔は大晦日があけるとひとつ年をとった。これが気を新しくした。ところが
いま満だ。年がひとつふえるのがまちまちだ。正月はただのかざりものだ。
 お次はモチだ。 都会でのモチはまずさの限りだ。これが持ちかといいたく
なるシロモノだ。配給のモチ米などを手にのせてみると、米というよりゴミだ。
涙が先に立ってモチをつく気になれない。
 まだある。おせっちなる正月料理。 こいつが近頃のはいただけない。黒豆
もペケなら、コハダのあわずけもごめんこうむりたい姿のものだ。数の子はお
ねだんで手が出ないし、きんとんまた然りだ。カマボコは、うっかりすると体
内をいためる薬入り………これじゃ楽しく正月を迎えたくても、迎えられない
ではないか。おまけにおせっちの煮ものなどを、せっせっつくる人が少なくな
った。おせっちの重箱のフタをあけると、ハム、ソーセージのたぐい、チ―ズ
の黄色なんていうのがのさばっている。当世向きだが、ふだんと気がかわらな
い。
 羽根つきの代わりがバトミントン。コマがうまくまわせないからデンキキカ
ンシャ。タコはあげられないから、リモコンつきのヒコ―キ。
 茶の間で、一家そろってスゴロク。福笑い(ごぞんじかな。紙におかめさん
の顔を書いてあって、それに鼻、目、眉、口などを、目かくしをしてならべる
アソビ)。こんなものも、なくなってしまった。
 あっても買わなくなってしまったのだ。
 それにカルタ。テンジテンノー、アキノタノ―ーというあれだ。これがまた、
正月の気分をもりたてるのに具合いのいいものだったが、しちめんどくさいも
のは、何でもおいやな当世のお若い方には不向きなんだろう。
 イロハカルタの新作をみんなでつくるのもシャレたものだった。
 乾信一郎氏の ”犬も歩けばくたびれる“ ―― ”子はサンガーのミステーク”
などは、こうしてつくられたものなのだ。
 ああ、正月の形も風物もあそびも年一年とひんまがっていく。ボクは、全部
を残しておけというのではない。何もかもふりすててしまうのなら、正月なん
かなくしてしまえばいいのだ。
 正月を祝う気があるなら、少しは昔のよき匂いのするものを伝えて……とい
いたいのだ。万年少年サトウハチローもどうやら老人になりましたかな………

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

短歌

 過ぎた日の思い出の中ある姿その一コマが遠くなりゆく

俳句

 木枯らしは凍らせる身も心まで

川柳

 良寛の庵寒かろうふと浮かぶ

 
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Comment

おはようございます。^^ヾ

寒いですね!

最近、お正月気分は元旦の一日だけ、というふうになりつつあります。
ご近所を見渡しても、晴れ着を着て初詣という姿も少なくなり、なんとなく風景が変わってゆくのだなと思います。

わが家も、黒豆に、数の子、伊達巻がうんとこさ残っております。
が、誰もお箸を出そうとしません。(;^_^

  • posted by 窓
  • URL
  • 2017.01/07 09:55分
  • [Edit]

Re: おはようございます。


ありがとうございます。
そうですよね。いいものは残っていってほしいけれども。
もう時代がねぇまったくねぇ。
そうして、そういう時代を知らない人ばかりになっていきますね。なっているのでしょうね。

お節料理も今は、デパートですものね。ふふふ。
それがあたりまえになっていますものね。

お身体はいかがですか。
お大事にね。人間の体って不思議なんですよね。
なんていうかその人なりの体のふしめどきが有ると思うのよね。
私だけよそう思うのjは……ふふふ。私らしいでしょ。
そういうときってがあってね。若いころころをね……振り返るとね。

そうやって、身体って老いを知っていくのかなぁ?

あなたはお若いから、お若いになりにあり、そうやってね。
なんていうかな?そういうときがあったなぁって思うのよ。
……大丈夫。
ゆっくり、なさり、大事になさってね。
あかるく楽しくいきましょうね。


「もういくつ寝るとお正月、お正月には凧あげてコマを回して遊びましょ……」

ひとり歌っています。アッは。アッは。忘れた光景ね。懐かしい……なぁ。
もうすんじゃったわ。

ありがとうございます。
  • posted by フェアリーグランマ
  • URL
  • 2017.01/07 11:04分
  • [Edit]

Re: おはようございます。

ありがとうね。
みんな想像しないようなことを、想像してる。
ちょっと、変わっているのかもね。なんでもを考えるのよ。自分勝手にね。

いまは、高校生の男の孫がね。
なんだかテニスを部活で、頑張っていて、そのお母さんが(嫁)と話してたのよ。
お正月の時に「お手玉を、…」 って!
何かの練習で……?使うらしい?
「おばあちゃんなら……?」二人で話してたので、きっと、欲しいんだろうな?

昨日縮緬の布(100円)と小豆を買ってきてね。もう、いいかげんなおばあちゃんよ。
3個作ったのよ、ああ、私の母が生きてたらなぁ?教えてもらえたのになぁ?

 いつまでも甘えたおバアチャンです。あと3個作り送ってあげようかなぁ?びっくりするだろうなぁ?

ありがとうございます。またね。コメント嬉しいわぁ。
  • posted by フェアリーグランマ
  • URL
  • 2017.01/08 08:13分
  • [Edit]

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Author:フェアリーグランマ
ひとり暮らしのおばあちゃんですが、毎日を詩や短歌を作って楽しんで暮らしています。

心に残った本の一節を御紹介させて頂いております。

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