おばあちゃんのひとりごと

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「バカ、そんなとこで笑うな、可愛い顔しちゃいけない」

 今が楽しい。今がありがたい。今が喜びである。それが習慣
 となり、天性となるような生き方こそが最高です。
                     平澤 興

 いつも、私もそう思うのです。ときどきはそうとうに落ち込むこと
もありますが、でも、切り替えていきます。だってそういう生き方が
いちばんと私なりに思うからです。

 昨日のこと、バスで出掛けました。帰りバス停で待っていましたら
買い物袋をいっぱい持ってこられ、バス停の椅子に置かれましたので
少し私もよけて差し上げましたら、汗をふいておられるのですもの。
びっくりしました。
 この寒さの中です、寒いのならわかるのですがどちらからともなく
話しだしましてね。
 お洋服もセンスが良くて、きちんとしておられるいきいきし周りの
人に気をつかわれて、80歳を過ぎておられるようには見えないのだ。
「お元気ですね。若々しいですね」
「私は80歳過ぎているんですよ。」
「エッ、信じられませんね。とても、見えませんね。そのお年には」
「こわい顔しているでしょ。曾孫がね怖がって、寄ってこない…」
「いいえ、いいお顔なさっておられ、とても溌剌とされ……です…」
「少しは厳しく感じる人があるもいいですよ。とてもいいお顔です…」
「ああ、そんなお年にはとても見えませんよ。いいことですね」
「まだ、バスを降りたら自転車で家までいくんですよ……。」
 うまく老いないと。バスが来たので乗り別れましたが、いい会話が
できました。
 こういう方に出会いますと、年齢って、人そのもの。というか、生
きかたによるのでしょうね。


    なまけると
    こころが
    むなしい
    一所懸命に
    なると自分
    の非力が
    よくわかる
       相田みつを


 ☆☆  愛しいなぁ ☆☆

    とても
    愛しい
    思う
    
    ただ ただ
    こころのなかで
    祈ってる
    
    ただただいのる
    愛しくて
    ただただ幸あれ

    わが家族よ
    そうして そうして
    友人やすべての人らよ

    幸であれ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 役者の青春
             中村勘九郎 著

 ぼくが煙草をやめたわけ

 ぼくがタバコをやめたのはこんなことがあったからです。推理作家
の小泉喜美子さんが、酒場の階段を踏み外して亡くなったでしょう。
ぼくはその3日前にお酒をご一緒しているんです。別れぎわに「ミス
テリーは私の香水」という本を「読んでくださいねえ」って渡されて、
ぼくも酔眼朦朧としながら「どうも」って受け取って帰って、寝る前
にパッとあけてみたページに、……人生は一度きりである。飲みたい
酒やタバコを我慢して、やりたいことも半分にして長く生きるのはい
やだ。とあるんです。
 ぼくはそれに大賛成。そうだそうだ、やりたいことを我慢すること
はない。なんて大気炎を上げてその日は寝ちゃったんです。
 そしたら三日後にあの事故でしょう。長生きを否定していたご本人
画そのとおりに壮絶な亡くなり方をしたんです。これはショックを受
けますね。大ショックでしたよ。
 そのあと健康診断にお医者様に行ったら、なぜか先生がタバコの害
について諄々と説くわけですよ。肝臓も腎臓も吸わない方が喜ぶとか。
寿命が15年は違うとか。
 チェーホフに「煙草の害について」というモノローグの芝居がある
そうだけど、もしかして先生は新劇俳優になりたかったんじゃないか
と思えるほど、あの演説はうまかったなあ。
 で、まだぼくはやめませんよ。
 今度はそのあと「俊寛」という芝居を歌舞伎座の早朝公演で一日だ
けやらしてもらったんです。……俊寛は清盛に謀反をたくらんだとい
うことで鬼界島に流されている。やっと迎えの舟が来たとき、流人の
仲間が島の娘千鳥と恋仲にになったので一緒に連れ帰りたいと頼むの
を、非情の使者が許さない。俊寛がその使者を斬り、自分の代わりに
娘を乗船させて一人島に残る、という芝居ですがね。
 俊寛が波打ち際の大岩の上から遠ざかる舟に向かって「オーイ、オ
ーイ、オーイ」と呼びかけるところが幕切れのクライマックスです。
ぼくは稽古の日、自分の解釈で、「オーイ」と呼ぶのは未練とかこれ
からの孤独を訴えかける気持ちも多少あるだろうけれども、若い者た
ちに幸せにしろよ、という祝福を与えるような、許すような、これで
よかったというようななごやかな気持ちもあったろうと考えて、
「オーイ」のあと少しにっこりしたんです。 そしたらとたん客席に
いた父が、「バカ、そんなとこで笑うな。可愛い顔しちゃいけない」
って怒鳴ってきました。
 なるほど、可愛くみえたのか、これは年齢の問題だな、とあとで思
いました。これが、ぼくが60,70になってからの俊寛で、終幕にニッ
コリしたすれば、悟りの境地というか、法悦境にも似た心情を表現で
きて、同じ可愛さでも違ったものになる、と思ったので、今は笑うこ
とはあきらめました。 で、そのとき決意したんです。タバコをやめ
て15年長生きして、いろんな芝居をやってみたい。好きな芝居のため
ならタバコはやめられるって。
 ――省略――
                    1992年5月発行
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 これを読みますと、お父様も勘九郎様もお顔が浮かんでくるのです。
そして「バカ、そんなとこで笑うな、可愛い顔しちゃいけない」の言葉
に、深い愛情が感じられるのです。親子の愛に涙します。おふたりとも
もうおられませんね。


短歌

 老夫婦そっといたわる手ほのぼのと感じなんだかうらやましいなぁ

俳句
 
 寒き日もカップルは今春模様

川柳

 初セリや7200万クロマグロ



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Comment

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フェアリーグランマさん~こんばんわ(*^-^*)
ずーーっと楽しみに読ませて頂いています。
それなのに、いつも読み逃げでごめんなさい。
いつも感謝しておりますm(_ _)m

ブログで、たくさんの気付きを頂きます。
グランマさんのように、
歳を重ねられたら良いなあ~と・・・(^_^)/

私の友達の輪が、グランマさんのファンになっています(^^ゞ
これからも、いろいろ教えてくださいね。
ありがとうございます♪

  • posted by まめママ
  • URL
  • 2017.01/08 20:25分
  • [Edit]

Re: こんばんは。

嬉しいコメントをありがとうございます。
いつも訪問して下さってありがたく、そうして、そうして、こちらこそ、感謝です。

なんていうか、知らぬ間に、すっかりおばあちゃんだわ。
気がついたときには、もう、すっかりおばぁちゃんになってたわ。ふふふ。
もう少し、いろんなことに賢い人でありたかったわぁ……?ふふふ。遅過ぎちゃった!

でもね、あなたのコメントの、……歳を重ねられたら良いなあ~……

そう言ってくださるなんて、楽しくなって、なんだか、ありがたくなっちゃいました。
 
元気いただきました。嬉しい。頑張ろう。ありがとう。
  • posted by フェアリーグランマ
  • URL
  • 2017.01/08 21:30分
  • [Edit]

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Author:フェアリーグランマ
ひとり暮らしのおばあちゃんですが、毎日を詩や短歌を作って楽しんで暮らしています。

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