おばあちゃんのひとりごと

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・・二宮尊徳の逸話・・

「人間的魅力の研究」伊藤肇著より

 --二宮尊徳の芝居がかりーー
 
 作家の丸谷才一は、日本人の理想像として、教科書にまでのったニ宮尊徳をひょんなこと
から大嫌いになったという、何かの本で尊徳にまつわる逸話を読んだのが原因だった。

 それには、尊徳先生を慕って弟子入りした若い男の話がのっていた。青年は尊徳のところへ
何度も訪ねて、さんざん門前払いをくったあげく、何十回目かにようやく、お目通りがかない
それからまた懇願、哀願を繰り返したあげく、やっと、入門を許される。そして、最初にいい
つけられた仕事はその日の晩飯のまかない方だった。

 準備ができて、青年が運んできた夕げの膳をジロリとみた尊徳が「手をお出しなさい」とい
った。若者が手を出す、尊徳は、その手に皿の上のタクアンを箸でつまんでのせた。タクアン
は下のところがよく切れてなくて一つずきになっている。尊徳はおごそかにいった。

「これをもって帰りなさい」

 このもったいぶったやり方が丸谷才一のカンにさわったのである。

 「報尊教の信者ならば、きっと大先生はこうすることによって、どんな些細なことでも入念
にやらなくちゃいけない。その小事が結局は大事である、ということを、骨身にしみるように
教えて下さったのだ。と、説明するだろう。しかし、わたしは、こういう芝居がかったやり方
が大嫌いだ。わたしに言わせれば、タクアンは、しょせん、タクアンにすぎない。天道と人道
との調和を、学びたい青年にタクアンを切らせるのもつまらぬハッタリだが、やっとの思いで
入門した弟子を、こんなことで破門するのは、冷酷である。こういう態度は、まことに下等な
精神主義で、教育者とか、批評家とかが、自分を偉そうに見せかけたいときに使う安易な手に
すぎない」とボロクソだ。

 相性が悪いというのは決定的なことで、本のちょっとした出来事が相手の全人格を否定
してしまうことになる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 これを読みますと、人間って、こんな立派なかたにも、このような逸話がある。
人はなんていうか、みんな、いろんな思いや考え、また、当事者らの思いなどなど、
考えて行動していても、どうとられかは、はかりしれないものがあるものです。

 周りが見ていても、本人にしても、どのような気持ちかは、わからないものです。
そして、いくら、良いこと考えてやったとしても、なかなか、すべての人にいいとは
思ってはもらえないものです。

 しかし こういう逸話がある二宮尊徳さんも、また、いいもの。
           相性かあーー。

     

   いわゆる頭のい人は、いわば脚の速い旅人のようなもの
   である。人より先のまだ行かないところへ行き着くことが
   出来るかわりに、途中の道程、あるいはちょっとした脇道に
   ある、肝腎なものを見落とす恐れがある。
                寺田寅彦「科学者のあたま」

      

 
 
 
 
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Comment

色々ですね(^^;

あー、私も、そういう尊徳さんは嫌ですねぇ☆

人を好きになるのに理由はありませんが、
嫌いになるには理由があるんですよね。

沢庵が繋がっていたのは、包丁が悪かったかもしれないのになぁ。
まな板が、歪んでいたかも?
  • posted by 夢桜
  • URL
  • 2014.03/28 20:53分
  • [Edit]

Re: 色々ですね(^^;

こんばんは、ありがとう。
 人はどんな立派な人も、あげあしを取ろうする人もあるだろうし、やはり、相性もあるでしょうが
尊徳さんみたいな、立派な方が、相性でなさるとはね。考えられないね。不思議ね。

 あなたはひらめきの天才よ。

 そうなのよね。たしかに、嫌いなときって、あそこのこういうのが~とか。こういうからとかね~。
なんか理由あるよね。大発見だわあ~。

 たくあんのまな板とか~なんか頭に映像になって、浮ぶわあ~―。たのしい!わあ^
  • posted by フェアリーグランマ
  • URL
  • 2014.03/28 21:52分
  • [Edit]

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Author:フェアリーグランマ
ひとり暮らしのおばあちゃんですが、毎日を詩や短歌を作って楽しんで暮らしています。

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