おばあちゃんのひとりごと

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旧家臣の涙で迎えられた「本物の武人」・・・立花宗茂③

「人間の器量」童門冬二著より

ーーー旧家臣の涙で迎えられた「本物の武人」---

 立花宗茂が棚倉に行ったのは、慶長八年のことである。以後、元和六年まで
ここにいた。その間、ひとことも不平をいわなかった。そういう宗茂を、将軍
は、ジッとみつめていた。
 そして、事が起きるたびに宗茂をよんで「おぬしならどう思うか?」ときい
た。宗茂は淡々と、スジをたてた応答をした。その答えは、ことごとく秀忠の
気にいった。

 このことは江戸の城内でも評判になり、老中たちも宗茂には一目おくように
なった。それだけでなく、自分たちが秀忠に向かっていいぬくいことは「立花
殿、貴殿から申し上げてくれないか」と、宗茂にたのむようになった。宗茂は
次第に、秀忠というネコに鈴をつける役目を負うようになった。

 元和六年。秀忠の娘が入内したことも作用したのか、宗茂は秀忠から「柳川
に戻れ。旧領を与える」といわれた。そのころ、柳川の領主だった田中家に、
相続人がなく潰されてしまったからである。この報は旧家臣群を狂喜させた。

 藩境に、帰農していた旧家臣群が待ちかまえていた。侍だけでなく農民もい
た。

「よう」

 宗茂は手をふって声をかけた。嗚咽と慟哭の中を、宗茂は、ひとりひとりの
家臣の手をにぎり「00、元気か?」と、正確に名をよび、無事な姿によろこ
んで肩をたたいた。

 やがて、秀忠は将軍職を三代目の家光にゆずった。家光は、宗茂について、ほ
かの大名が「立花は、関ヶ原では神君にそむいたくせに、いまは秀忠公にとりい
って、旧領をせしめた」といっているのをきいていた。気鋭の家光は、ある日、
宗茂を呼んで、「関ヶ原の戦いが、もう少し長引いたら、おぬしはどうした?」
ときいた。宗茂は、「おそらく東軍の将をかなり討ったことでしょう」と答えた。

「わが祖父(徳川家康)もか?」とたたみこむ家光に、宗茂は、「あるいは」と、
微笑んで答えた。
 以後、家光は「立花は本物の武人である」とほめちぎった。

 小瀬甫庵が「こんど{信長記}や{太閤記}を書きます。あなたもご自分の事
蹟がありましたからどうぞ」といってきたとき、宗茂は、笑ってこういった。

「自分で自分のことをいうばかはいない。おれのことは何もかいてくれなくてけ
っこうだ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 よほど素晴らしい方だったのでしょう。
 どうどうとしておられ、二宮尊徳さまを思い出させます。


      可愛い小さな花が
     
    街路樹の根元に咲いていた
    小さな花を見つけた
    雑草の中に 
    かくれるように

    誰にも知られず
    誰にも褒められもせず
    誰にも見られることもない
    それでいい それがしあわせ

    

    


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Comment

男らしいです。

本物の武人。いい男ですね。

こういういい男に巡り合いたいと、つい思ってしまうんですが、
いい男に見合うだけのいい女じゃないなと気付き、
巡り合わない筈だと苦笑いしてます(^^;

テレビに出る度に顔色が悪くなってるような官僚に、
しかと見習って欲しい話です。
  • posted by 夢桜
  • URL
  • 2014.04/18 20:29分
  • [Edit]

Re: 男らしいです。

 こんばんわ。ありがとう。
 ホント、こういう男性がおられたのよね。
 それほどに魅かれる「武人」は半端じゃないよーーね。

 出会えることなく、私はもう、こんな、おばあさん。
 「プッ…」わらえるよね。
 あなたの言う通り……「いい女じゃあないか」
 「ごもっとも!」忘れてた。自分を見ないとね。
 
 出会えてないのは、そうだったかあーー。納得。さすが!
 来世こそ……ね。ふっふ ふっふ。
 こんな素敵なお殿様がおられたことを知っただけで、「満足じゃぁ」
  • posted by フェアリーグランマ
  • URL
  • 2014.04/18 21:49分
  • [Edit]

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Author:フェアリーグランマ
ひとり暮らしのおばあちゃんですが、毎日を詩や短歌を作って楽しんで暮らしています。

心に残った本の一節を御紹介させて頂いております。

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