おばあちゃんのひとりごと

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自分を見つめる・・・「蜘蛛の糸」

「幸せは急がないで」青山俊薫
         瀬戸内寂聴 編

 --愚者にして
   おのれを愚なりと想うは
   おのれ賢なりーー
 
 いまの人は、情報の洪水のなかで生活していて何でも知っています。
 知らないのは、ただ自分自身のことだけでです。
 私たちの目は外に向かっているから、外のものを見て気をとられるのは仕方ないとし
ても、他方で思想家・パスカルが「人間は考える葦だ」といったように、思考力がある
はずです。その思考力を働かせて、自分とは何かを少しは考えてみてもよいように思う
のですが<灯台もと暗し>とでもいうのでしょうか、身近にありすぎて見えないのが自
分自身の姿なのです。
 自分の心をいつも占領しているのは物であり、隣りの人であり、他人の目であり「み
んなと同じような形をとること」ではないでしょうか。
 そうした目先のことばかりに気をとらわれずに、いったん自分をつき放して、他人を
見る目で自分を見つめてみませんか……。

 私は自分を見つめる時、芥川龍之介の短編小説「蜘蛛の糸」を思いだします。

----ある朝、お釈迦さまは極楽の蓮池の畔を散歩なさっておられました。
 蓮の葉の間から、ふと下をのぞくと、地獄の底がちょうど覗き眼鏡を見るように、はっ
きりと見えるのでございます。
 その地獄の底に、カンダタというおとこが他の罪人と一緒に蠢めいている姿が見えました。
カンダタはさまざまな悪事を重ねましたが、ただひとつだけ善いことをしています。
 以前、一匹の蜘蛛が道ばたを這っているのを見て踏み殺そうとしましたが「いやいや、これ
も小さいながら命あるものに違いない。その命を奪うのは可哀想だ」と思い直して、助けたの
です。
 お釈迦さまはそれを思いだして、カンダタを地獄から救いだしてあげようと考えました。幸
い、蓮の葉の上に糸をかけていた蜘蛛の、その細い糸を地獄の底に下ろされました。

 暗闇の中を遠い遠い天上から自分の頭上ヘ垂れてきた糸を見てカンダタは手を打って喜び、
さっそく糸をたぐって登りはじめました。

 しばらく登って一休みしながら下を見ると、他の罪人たちが次から次へと列になって同じ糸
を登ってくるではありませんか。
 <これでは糸が切れてしまう>と思ったカンダタは大声でわめきます。
「お前たちは誰にきいて登っているのだ!下りろ」

 そのとたんに、カンダタのぶら下がっていたところから糸ははプツンと切れました。

……再び血の地獄に落ちていまも苦しんでいるカンダタはあなたであり、私です。
 自分だけよければ他はどうなってもかまわないという独占欲、そして金銭欲、物質欲、支配欲
愛慾、肉欲などなど、数知れぬ欲のかたまりが私たちのひとりひとりです。
 地獄の苦しみの、源は自分のなかにあるのです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 むかし本で読んだのですが

 ……欲深き人の心と降る雪は積もるにつれて道を失う……だったかなあーー?

 短歌

  欲はないそう思いつつまだあつた子ら孫らの幸是非にと願う

  無欲なれずお恥ずかしきも欲多し家族の幸を心より思ふ

  

  

  

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Comment

こんばんは^^

家族の幸を願うのは、欲ではないと思います。
人なら、当たり前にある心ではないでしょうか。
たまに、見失っている人もいるようですが・・・。

夏は、庭のあちこちに蜘蛛の巣が張られます。
払っても、すぐに張られるので、放ってあります(^^ゞ
通るのに邪魔になる時だけ払いますが、
そうすると「荒れ庭」に見えるのです(^^;
寒くなってから、払い除けます。
  • posted by 夢桜
  • URL
  • 2014.04/25 19:58分
  • [Edit]

Re: こんばんは^^

 ありがとうね。こんばんわ。あまりにも有名な作品でだれも知ってるよね。
 でも、何度読んでもいいかなあーと思ってね。蜘蛛の糸を思うのよ。
 (蜘蛛の糸で思いだすのは童話「シャアロットの贈り物」だわ。アッハ。)
 私は童話専門だわ。笑えるでしょう。字が大きいからいい。
 
 蜘蛛の巣ってどこにもかけるものね。獲物を狙うのだものね、あんまり綺麗
にとったら、蜘蛛が可哀想だしね。なんせお庭の手入れは大変よね。楽しみも
多いけれど、草・草で、友人らもいつもいってるわ。

 あなたはお花を作り、楽しんでおられるからいい。なんでもだけれど、何事
も楽しく、喜んで生き生きと出来たら、疲れるなんておもってないものね。

  • posted by フェアリーグランマ
  • URL
  • 2014.04/25 21:15分
  • [Edit]

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Author:フェアリーグランマ
ひとり暮らしのおばあちゃんですが、毎日を詩や短歌を作って楽しんで暮らしています。

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