おばあちゃんのひとりごと

Entries

六代将軍家宣・名もない将軍にも賢君はいた。

「人間の器量」童門冬二著より
  
ーー安易に人をきめつけてはならないーー

   ーー省略ーー

 六代目の将軍徳川家宣。前代の綱吉が「人間を犬のしたにおく」という、有名な
「生類憐みの令」で、世界史に類も例のない価値の倒錯社会をつくり出して、日本
中をあきれさせたから、家宣の影が薄いのだ。
 家宣は元の名を綱豊といって、甲府城主だった。綱吉の養子になって次期将軍の
座を約束された。
   ーー省略ーー
 その家宣が将軍になる少し前に病気になった。長年の主治医Aが治療にあたった。
が、一向によくならない。心配した養父の綱吉が、自分の主治医Bをさしむけた。B
が診察すると大変な重病だ。驚いたBは「一体、Aは今日まで何をやっていたのだ?
とんでもないヤブ医者だ!」と激昂した。
 Bの治療で家宣は癒った。このことが知られ、Aに対してごうごうたる非難の声が
あがった。重臣たちは「この際、Aを首にすべきです」と進言した。家宣はふった。
 
 「ならぬ」
 「なぜでございますか」
 
 「医術は単なる技術ではない。病んだものと医者との強い信頼関係がものをいう。町
人でも、医者とか床屋とか風呂やなどは、いったんなじむとなかなか替えにくいそうで
はないか。
 わたしとAとは長年のなじみである。Aの治療をもう少しつずければ、あるいは治った
かもしれぬ。さらに、私の場合とは逆に、Bが見はなす病人をAが助けるかも知れぬ。病
人と医者の関係とはそのように複雑だ。ひとりの者によいから、あるいは悪いからといっ
てはならない。

 第一考えてもみよ。次期将軍の診察にシクジッてクビになった、などということが天下
に知れれば、Aの医者としての生命は断たれ、かれは首をくくることになるだろう。Aは
これからも、私の主治医である」
 
 「……」

 重臣はいいかえすことばもなく沈黙した。おもしろいのはAの態度で、ふつうの人間だっ
たら、家宣のことばに感涙にむせぶところだが、Aはそんな反応はみじんもみせなかった。
 「ああ、そうですか」と、ケロッとしていた。家宣を診療していたときも、病気がどんど
んと悪くなるのに全然あわてなかった。
 「大丈夫、必ず、癒りますよ。まかせてください」と家宣にいいつずけた。家宣
も、
 「うん、あなたを信頼しているよ」と、病床の中からほほえんだ。Aも大物だ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

     人よ   

     人は温かいがいい
     人は愛情があるがいい
     どんなときも 愛がある人は
     優しくなれるもの

     愛があふれるひとになれば
     だれに対しても どんなことにも
     優しい態度になる
     そういうひとがいいなあー


 




スポンサーサイト

Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

左サイドMenu

プロフィール

フェアリーグランマ

Author:フェアリーグランマ
ひとり暮らしのおばあちゃんですが、毎日を詩や短歌を作って楽しんで暮らしています。

心に残った本の一節を御紹介させて頂いております。

ランキング

ブログ村のランキングに参加しています。応援してくれたら元気が出ます!
にほんブログ村 ポエムブログ 自作詩・自作ポエムへ にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ
にほんブログ村 にほんブログ村 小説ブログへ
にほんブログ村

flag counter

Flag Counter

最新記事

最新トラックバック

音楽