おばあちゃんのひとりごと

Entries

「めん罪を体験して・河野善行氏(サリン事件)・その①

「到知」2007・3
 「めん罪を体験して」
                 松本サリン事件被害者 河野義行氏
 平成6年6月27日深夜、裏庭からカタカタと妙な音が聞こえてきました。
 何だろうかと思って外へ出てみると飼っていた犬が口から白い泡を吹いて激しく痙攣を
起こしているのです。もうピクリとも動かない。
 「母さん!警察に通報したがいいんじゃないか」
 中にいた妻へ声をかけましたが、返事がありません。部屋に行ってみると、妻が犬と同
じように口から泡を吹き、痙攣状態になっている様子が目に飛び込んできました。すぐ救
急通報をしたのですが、これが松本サリン事件の第一報、つまり「第一通報者」と、後に、
呼ばれるようになるわけです。私も視覚の異常をきたし、激しい吐き気に襲われる。足元が
ふらつき、立っていられない状態になって、病院に運ばれました。
 翌日警察は記者会見し、「被疑者不詳の殺人罪で会社員宅を強制捜査した。結果、殺傷
力のある薬品類数点を押収した」と、私の実名をマスコミに公表したのです。私は殺人罪の
容疑をかけられ、これを機に報道が一気に過熱しました。
 例えば事件が起こる20年前、京都で薬品会社に勤めていたいたらしい、そして薬品に精
通していたらしい、そしていつも薬品を取り扱っていたらしいという推測の記事が載tるので
す。そんなことが繰り返されるうち、世間の人にも間違った情報が刷り込まれていき、誰もが
この会社員がやったと思ってしまうわけです。次の日から、自宅には無言電話やいやがらせ
の電話が殺到しました。電話をとっていたのは、主に高校一年生の長男です。入院中の私の
もとへ悲鳴を上げてやってきました。「お父さん、電話がすごい、番号を変えてほしい」
 私はこう答えました
 「電話番号を変えるのは簡単なことだ。けれどもそれは現実から逃げることだ。逃げていたら
俺たち家族は潰されるぞ。大事なのは、どんな電話であっても正面から真摯に受け答えするこ
と。受話器を取ると、人殺しとか、さっさっと本当のことを吐けとか、いろんなことを言われ、つら
いかもしれない、でもそういう電話であっても逃げない。正面から受け止めていく。
 そしてもう一つ大事なこと。それは嫌がらせをしてくる人たちより、心の位置を高く持つこと」
 圧倒的に不利な状況であっても、心の位置は自分で任意に設定ができるのです。ボコボコにや
られても、きょうはゆるしてあげるといえるんです。これらをずうっと続けたのです。
 結果的に、事件前と事件後の電話番号は変わっていません。子供たちはその約束を守り抜いて
くれたということです。つらい途中で逃げることなくそれを通してくれたことが、彼らの大きな教訓にも
なったと思います。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
生きる

  何があっても
  どんなことが起きたとしても
  自分が正しいならば
  堂々としていたいな
        みんなに悪いと思われても
        自分が正しいと思うならばそれでいい
        誰が何と思っても 堂々としていたい
        そうやっていきたいな

 
スポンサーサイト

Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

左サイドMenu

プロフィール

フェアリーグランマ

Author:フェアリーグランマ
ひとり暮らしのおばあちゃんですが、毎日を詩や短歌を作って楽しんで暮らしています。

心に残った本の一節を御紹介させて頂いております。

ランキング

ブログ村のランキングに参加しています。応援してくれたら元気が出ます!
にほんブログ村 ポエムブログ 自作詩・自作ポエムへ にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ
にほんブログ村 にほんブログ村 小説ブログへ
にほんブログ村

flag counter

Flag Counter

最新記事

最新トラックバック

音楽