おばあちゃんのひとりごと

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「人間苦労しなければいけないが……」吉川英治さま

   いつも思うんだけど

   何があったって
   どんなことがあったって
   愉しんで日々を過ごす
   楽しいことを見つけてね
   
   そうやって 過ごしたいもの
 
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 一期一詩    <こころの詩>を読む
                     瀬上敏雄 著より

 人生、植えるもの多し

    むすめに与ふ     吉川英治
 
   倖せ何と ひと問はば
   むすめは なにと答ふらん
   珠になれとは いのらねど
   あくたになるな 町なかの
   よしや三坪の庭とても
   たのしみもてば 草々に
   人生 植えるものは多かり

 吉川英治さんが、嫁いでゆく長女晴美さんに、「童女般若心経」の詩と
共に贈られた、二枚の色紙の中の詩である。
 吉川さんは昭和36年10月6日肺癌の大手術を受け、、翌年2月11日
晴美さんの結婚式に出席して、身体の痛みに耐えながら、父親としての、
愛情の切々とこもる挨拶をしておられる。その年の9月7日に、70歳をも
ってこの世を去っておられるのであるから、死の7カ月前のことである。
 若者が好きで、所望されれば結婚式には必ず出席し、祝辞を述べられ
たという吉川さんは、晴美さんの新しい人生の門出には、格別の思いを
もたれたのであろう。

 わが子の倖せを願わぬ親はないだろうが、嫁いでゆく娘の倖せを願う父
親の思いはひとしお深いものがあろう。

 「珠になれとは願わないが、どうぞ人の世の芥にならないで、たとえ町な
かの暮らしであっても、生きる楽しみをもてば、僅かな3坪の庭にさえ花々
が植えられるように、人生には植えるものが一杯あるのだ」 と。

 「宮本武蔵」を書き、 「新平家物語」を書き、「私本太平記」 を書いて、
国民文学の創造に努められた吉川さんが、平凡な市井の中にある掛け替
えのない倖せを、嫁ぎゆくわが娘に願われる父親としての愛情がしみじみ
伝わってくる。

 肺癌の宣告を受け、すでに階段を這うような状態であったのに、、「私本
太平記」 の感性のために、心身を削る思いで机に向かわれた。自己に厳
しかった吉川さんは、新しい人生に出発する若者に、沢山の色紙を書いてお
られる。

 「やさしい、むずかしさ」

 「菊根分け、あとは自分の土で咲け」

 「たのしみある所に愉しみ、たのしみなき所にも愉しむ」

 「人間苦労しなければいけないが、苦労して苦労に磨かれて立派になる
人間と、苦労に染まって性格がいじけてしまう人間と二通りある」など。

 どれも人生を生き抜いた先輩としての、思いやりのある味わうべき言葉である。

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  短歌

   気力さえあれば元気にさっそうと散歩に行こう落ち葉舞う道
    
   ときどきは落ち込み泣ける老人で情けなくなるそんな自分が

   冬の日は外に出るのもおっくうでぼぉっとしてる昔を思いつ

   苦労とは誰でもしてるそうなのについつい思うは自分だけだと

   いちょうが舗道一面しきつめた黄色に染まり綺麗綺麗だ

   
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フェアリーグランマ

Author:フェアリーグランマ
ひとり暮らしのおばあちゃんですが、毎日を詩や短歌を作って楽しんで暮らしています。

心に残った本の一節を御紹介させて頂いております。

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